以前に『狐のいない海』という小説を書きました。わたしの地元につたわる伝承いくつかに端を発している、現代のお話です。その中に出てくる、かつ幼いころからなじみのあった武将三浦大介義明という人物を追いかけた人たちを追いかけています。最近わかってきたことがいくつかあって、そのうちのひとつを簡単にまとめました。

近代に至ると、地元の人た ちが中心となって、みんなが寄ってたかって義明を雷神のような存在に仕立て上げていきます。でも明治以降の当事者たちに はその自覚がまったくなかったんではないか。そのつもりはなかったのに、語りなおされるたびに大介はどんどん雷神になっていっ てしまったのではないか。そのことをおもしろがるのがこのブックレットの目的です。

『狐のいない海』はウェブでも読めます。よろしければこちらもぜひどうぞ。
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