短歌同人「八朔」の同人誌、第１号。メンバーは宮下一志、大島健志、丹花ヨム。
A5サイズ、56ページ。連作11作品、181首。
＜目次＞
□宮下一志
・いとほし　40首
・ポートレイト2.0　30首
□大島健志
・日常と胃腸　15首
・ずっと卑怯でいようね　15首
・いつわらない　30首
□丹花ヨム
・初恋の重量　15首
・明日も明るい　8首
・四十路の俺　7首
・コーラが染みる〜四十路の俺　Part2 7首
・柔らかくあれ　7首
・月が輝く夜夜中　7首
□ゲスト一首評
□セルフライナーノーツ＆同人作品評

＜自選3首＞
□宮下一志
ぜつかう、と簡単に云ふをさなごは逢ひたい夜のこはさを知らない

この一日きつと忘れてしまふ　でも栞のやうな砂場のスコップ

花束として手花火を重ね持ち空へ贈つた初盆の夜
□大島健志
適当に選んだシャツを着て行こうあなたの夜に相応しいだろう

ここはまだ作り途中の街だから生きてゆくのは大変なのだ

ぬるま湯で淹れた紅茶を飲みながら埃の溜まる部屋を見ている
□丹花ヨム
百草の野原で鳴くよヤギの子は誰もやっては来ないよ誰も

塊をいちにちかけて魂ときづいたけれど煮込むと消えた

青ざめた小鬼をひとりつまみあげ舐めれば少し苦みと怒り

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